アナログ世代、デジタル世代、その次に来る“AIネイティブ”とは

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私たちはこれまで、いくつかの大きな技術変化を経験してきた。

電話帳をめくっていた時代があり、インターネットで検索する時代が来て、今はスマートフォンをほぼ身体の一部のように使っている。

そして、その流れの先に、さらにもうひとつ新しい世代が生まれようとしている。

AIネイティブ。

まだ定義が固まっている言葉ではないが、これから10年ほどで当たり前になっていく言葉であることは間違いない。

ただ、この話は単なる世代論ではなく、「AIネイティブ」とは何者なのかを考えることは、人間が何を自分で行い、何を技術に任せてきたのかを振り返ることでもある。

アナログ世代は「覚える」が前提だった

今より少し前の時代、人は多くのことを自分の頭の中に保存していた。

  • 電話番号を覚える。
  • 地図を頭に入れる。
  • 待ち合わせ場所までの道順を記憶する。

現在のように携帯電話やスマホのある世界ではないから、わからないことがあっても、その場ですぐに調べるなんてことはできない。

だからこそ、記憶力そのものが生活能力の一部だった。

今思えば不便な面もあったが、基本的には「自分の中に情報を持っていること」が強みだった時代でもあると言える。

デジタルネイティブは「探せる」が前提になった

インターネットとスマートフォンの普及によって状況は変わり、必要なのは覚えることではなく、「必要なときに探せること」になった。

  • 電話番号を覚える必要はない。
  • 道順も検索できる。
  • 知らない言葉も数秒で調べられる。

人類は記憶の一部をデジタルへ外部化した。

しかし、この変化はあまりにも自然だったため、多くの人はその大きさを全く意識していないはず。

振り返ってみると「覚える能力」よりも「検索する能力」が重視される社会へ移行したのはかなり大きな転換点だったとも言える。

AIネイティブは「考える過程」を外部化する

それではAIネイティブは何が違うのだろうか。

おそらく彼らは検索しない。

わからないことがあれば、まずAIに聞く。

旅行先を探すときも、比較サイトを何時間も見比べるのではなく、条件を伝えて提案してもらう。

レポートを書くときも、ゼロから構成を考えるのではなく、まずAIに叩き台を作らせる。

つまり外部化される対象が変わっていく。

情報でもなければ、記憶でもない。

判断や思考の一部である。

これは検索時代よりも大きな変化だと言える。

AIは検索エンジンではなく相談相手になる

検索エンジンは答えの候補を見せる道具であり、最終的な判断は人間が行う。

しかしAIは少し違う。

条件を整理し、優先順位を考え、提案まで行う。

そして、人は気づかないうちに「調べる」から「相談する」へ移行し始めている。

最近、多くの人がAIに対して期待と不安を同時に抱いているのも、この変化が理由かもしれない。

仕事がなくなるかもしれないという不安だけではない。

もっと根本的には、自分で考える機会そのものが減るかもしれないという感覚が芽生えているのではないだろうか?

AIネイティブは賢くなるのか、考えなくなるのか

ここでよくある議論が始まる。

AIに頼ると人間は考えなくなるのではないか?

確かにその可能性は大いにある。

しかしその一方で、電卓が登場したからといって数学が消えたわけではないし、検索エンジンが普及したからといって知識が不要になったわけでもない。

技術はいつも人間の能力を奪う面と拡張する面を同時に持っている。

そう入った流れから、AIも同じだろう。

当然ながら、考えなくなる人もいるだろうが、逆にAIを使ってより深く考える人もいる。

重要なのはAIそのものではなく、人間がどの部分を手放し、どの部分を持ち続けるか。

世代の違いより、人間の変化の話

  • アナログ世代
  • デジタル世代
  • AIネイティブ

こう並べると世代の話に見えるようだkが、本質はそこではない。

人類は長い時間をかけて、自分の能力を少しずつ外部化してきた。

紙に記録し、コンピューターに保存し、インターネットで共有した。

そして今、判断や思考の一部までAIへ預け始めている。

AIネイティブとは、その変化を当たり前として育つ最初の世代であり、彼らが大人になったとき、「自分で考える」とはいったい何を意味するのだろう。

その答えは10年後、20年後にはっきりとしてくるだろう。

ただひとつ言えるのは、私たちはいま、人間の頭の使い方そのものが変わる入口に立っているということ。

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