「一人で生きるのも悪くない。」
そう感じる人は以前より確実に増えている。
旅行は一人で行けるし、飲食店には一人席がある。
動画配信やSNSがあれば、自宅でも十分に楽しむことができる。
かつては「一人=寂しい」というイメージが強かったが、今は、一人でいることを前向きに選ぶ人も少なくない。
その一方で、孤独死や高齢者の孤立という言葉を目にすると、不安になる人もいるだろう。
自由な一人暮らしと孤立の問題は、どのような関係にあるのだろうか。
一人で楽しめる社会が完成しつつある
日本では単身世帯が増え続けていて、その背景には未婚率の上昇だけではなく、
- 晩婚化
- 離婚の増加
- 長寿化
- 個人主義の浸透
などがあり、その流れに企業側も対応してきていて、近年では「一人焼肉」「ソロキャンプ」「一人カラオケ」「単身向けマンション」「おひとりさま向け旅行商品」などが当たり前になってきている。
昔は「誰かと行く場所」だったサービスが、いまや一人利用を前提に設計され始め、社会そのものが「単独行動しやすい方向」に進化している。
問題は孤独ではなく孤立
ここで注意したいのは、孤独と孤立は同じではないということ。
孤独は主観的な感情であって、一人でも充実していれば孤独を感じない人もいる。
一方の孤立は客観的な状態であり、家族とも友人とも連絡がなく、地域との接点もない状態を指し、現代の「おひとりさま社会」で問題視されているのは、実は孤独ではなく孤立である。
若いうちは一人暮らしを楽しめても、それが高齢になると事情が変わってくる。
- 病気になったとき
- 入院したとき
- 認知機能が低下したとき
そのときに頼れる人や仕組みがなければ生活は急激に不安定になる。
そんな孤立問題を考えると「やはり結婚した方がいいのでは」という話になりがちだ。
しかし、現実はそれほど単純ではなく、高齢夫婦だけの世帯も増えてきている。
子どもが遠方に住んでいるケースも珍しくなく、結婚していても社会との接点が少なければ、孤立は確実に起こる。
逆に未婚であっても、趣味の仲間や地域活動に参加していたり、オンラインコミュニティなどで定期的な交流関係があれば、孤立リスクは下げることはできる。
重要なのは婚姻状態ではなく、人とのつながりの質と量である。
必要なのは「老後の人間関係設計」
人生設計というと、大抵の場合、お金の準備が注目される。
もちろん貯蓄や年金は重要なのだが、今後は「人間関係の準備」も同じくらい重要になってくる。
例えば、
- 趣味を持つ
- 地域活動に参加する
- 行きつけの店を作る
- 定期的に会う仲間を持つ
こうした小さなつながりは、高齢期になるほど価値を持ち始める。
孤立は突然訪れるものではないし、長年の積み重ねの結果として生じることが多い。
だからこそ若いうちから、人との接点を意識して持つことが将来の安心につながっていく。
諸刃の剣を認識すること
おひとりさま社会は、個人の自由を大きく広げ、一人で楽しめるサービスが増え、生き方の選択肢も広がっている。
しかし自由の拡大と同時に、孤立という新しい課題も見えてきており、大切なのは、一人で生きるかどうかではなく、一人であっても社会との接点を持ち続けられるかどうか。
これからの人生設計においては、お金はもちろんのこと、人間関係も資産として考えていく必要がある。
「現代人の違和感を整理するサイト」
現代人の説明しにくい違和感を、整理して言語化する。

コメントを残す